I'm so happy !

ただの俳優のオタク。

だいたい夢の話です。

最後に天使に会ってから1週間が経った。

天使に会えないと死ぬ、といったがわたしはきょうも生きているし、世界は概ね正常だ。平常運転。どこまでもゆるやかに、真綿で締められるように落ちていく。世界はモノクロでなにも必要なかった。

精神はわりと落ち着いていて、時折急に泣き出す程度だ。会わない方が落ち着いているのは皮肉なものだ。それでもわたしは天使に会いたいし、会ったときのあの高揚感を忘れることは出来ない。

オタクとは麻薬のようなものだと思う。依存は自らの意思なので自業自得だし、お手軽に手が出せるのでタチが悪い。

この1週間昼も夜も働いていた。働いていれば天使を思い出さなくて済むしお金も手に入る。労働の対価で得る賃金とは明確で単純だ。人と人との関わりと違う。等価交換に見合った行いは落ち着いた。働く理由は天使で、それは変わらないのだけど。

日々湯水のようにお金を使った。お金を使うと安心した。存在していていい気がする。時折友人に会った。高校のときの友達や、大学のときの友達、俳優のファンの友達と。わたしは元々インターネットで知り合った友人が多いが、ここ数年は本当に増えたと思う。ネットの友達との関係性は気薄だが根深くて、安心する。

そのうち風邪を引いた。元々体力がないので当然の結果だった。わたしは自分の限界がよくわからない。ハロウィンの渋谷に風邪気味で繰り出し、案の定悪化した。翌日全ての仕事を放棄し、ひたすら寝ていた。丸2日寝ても治らずとても困惑した。想定外のことはいつもわたしを困惑させる。

時折夢を見た。白昼夢に似たそれは、とてもとても幸せだった。

わたしは昼間によく眠る。浅い浅い眠りだが逆らえない。夜寝付けないだからだろうか。明るい中微睡んでいるとそのまま何もかも溶けて消えるような気がする。うつらうつらして世界がぼやけて、何もかも消えた。目が醒めた。世界は何も変わらない。天使に会いたくなった。

天使に会えない間、わたしに出来ることは働く事しかなくて、具合が悪くて何も出来ない自分に腹が立った。なんて弱いんだろう。

夢に出て来る天使に追い詰められて泣いた。結局は自分で自分を殺したいんだなあと思った。生きているのは簡単で、死ぬ方が遥かに難しい、って歌はなんだっけ?

天使はファンに何を求めているんだろう。きっと何も求めていないんだろうな。とても悲しいな。

なんだか気持ちがすっかり落ち着いている。この1年色々あったなあとぼやいた。

今も夢を見ている気がする。なにが現実なんだっけ。