I'm so happy !

ただの俳優のオタク。

恋は緩やかな自殺だ。

※日記のような散文

朝から寒い。降る雨を窓から見る。薄暗い空だ。幾重にも重なる雲と雨粒。暗澹とした寒空に、何もかも放り出してしまいたくなった。牛乳をマグカップに注いで温める。カルバドスと蜂蜜を少し垂らし、ゆっくりと飲んだ。

ここ数日体調があまり良くない。扁桃腺が腫れて熱を持っていた。喋ることも食べることも億劫で、アイスと牛乳ばかりを摂取している。睡眠が連続して取れないので、いつも微睡んでいる。微睡んでいる間にどんどんどんどん時が過ぎて、世界は終わりに向かっているのだ。何もしなくてもいつか終わる、ああ、辟易する。わたしは終わらなくてもいいのに。

彼に会えない世界はなんてモノクロなんだろう。

ふと喪失が襲う。

仕事帰りの電車で立って外を見ている時や、牛乳にアルコールを注いでいる時、本のページを捲る時、いつもの香水の匂いを嗅いだ時、踵に保湿クリームを塗っている時、唐突に、からっぽになる。喪失は突然で強引だ。無防備な時ばかりを狙う。虚無は暴利だし、わたしは抵抗する術を知らない。あっという間に攫われて、落とされる。からっぽのわたしはからっぽのままその場で立ち竦む。あっ、と思う内にからっぽに寂しさが流れ込んで、わたしを満たす。抗うことなんて出来ない。

呼吸がだんだん浅くなる。緩やかに死んでいくみたいだ。

年末は忙しなくて人が大勢でうんざりする。慌ただしい年の瀬に気圧され、わたしはスターバックスのカウンターでため息をついた。人を待つのは嫌いではないけれど、こうも人が多いと精神的に参る。冷めたカップの縁を指でなぞった。俳優界隈は連続する2.5次元舞台のキャスト発表や、新戦隊のキャスト発表にどよめいている。新戦隊の赤の彼はよく知っている人物だった。彼の経歴から消えたアイドル活動を思って葛藤する。彼と彼のファンを作ってきた全てが、無い物になってしまった。iPhoneに表示されるツイッタークライアントをタップし、スクロールしていく。たくさんの言葉と感情で溢れていて、とても明るい。

さびしいなあと思った。単純に。

砂で作られたみたいな脆い一年だった。寄せては引いていく波に攫われて、ざらりと崩れた。仕方のないことだけど、やっぱりさびしい。平らになった赤の彼は、新しい城を築くのだろう。例え脆い砂で出来ていたとしても、赤の彼は笑ってお披露目してくれるだろう。わたしはそれを見ていたいと思う。あの人はどう思ってるのかな。正直何が発表されても、わたしの関心は彼がいるか、いないか、その発表に対して彼がどう思うか、に向けられている。彼が傷付かない世界だったらいいのに、小さく嘯いた。たぶん、彼を一番傷付けているのはわたしなんだろう。わたし以外誰も傷付けないでほしいなあ。受け取った時からすっかり沈黙したカフェラテを啜り、笑った。なんて不器用なんだろう。

今年最後の日だなんて全然実感がない。光のようにここまで来てしまった。街中の雑踏はフィルターを通したみたいに濾されてよく聞こえない。傷付いて傷付けて、許して許されて、感情の海に沈んだ1年だった。彼がいないと生きられなくなってしまった。依存は自殺行為だ。ゆっくりと自分で自分を殺していたけれど、とても楽しかった気がする。ナイフを埋め込むのは痛くない。彼に付けられた傷が癒える方がよっぽど怖かった。まぶたを伏せてハミングする。世界はきらきらで希望に満ちていて、やっぱり美しかった。わたしという異分子はきらきらに息苦しくなるけれど、苦しみを求めるのは自然の摂理だ。誰だって自分を殺しながら生きている。恋というピンクの海に沈んで還っていく。水の中もきらきらできれい。屈折する光と感情。生きるしかないんだと思った。いつか死ぬために、わたしはわたしを殺していく。







そうやって今日に疲れたり、どうしようもないなと思っても大丈夫僕も僕の好きな人だっていつか死ぬんだ

なんて考えてると少し楽になってしまったりもしてしまう

(どうせ死ぬし/未完成VS新世界





2015.12.31 全てに感謝を!

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