I'm so happy !

ただの俳優のオタク。

さみしいとかさみしいとかさみしいとか、

天使が舞台を降板した。

その日わたしは体調があまり良くなく、大量のラインとリプライの通知で目が覚めた。

『生きてる?』

一瞬なんのことかわからず混乱したが、すぐに天使に何かあったのかと思い、焦った。焦燥。グループラインに落とされた降板の文字に驚いた。こ、う、ば、ん、し、た?文字がひとつひとつ頭の中に浸透する。降板。「まさか」つぶやいた言葉が夜の闇に溶けていく。

ツイッターのタイムラインにわたしを心配する文字が羅列していた。そんなにもたくさんの人に心配をかけていたと思わなかったので驚いた。全く知らない人からもDMがきていたし、しばらく連絡を取っていなかった人も、そして普段仲の良いみんなも、親も、みんなみんな心配してくれた。ラインは止まらず、天使のことでみんなが連絡してくれるのは嬉しかったが不思議だった。大丈夫じゃないのはわたしじゃなくて天使なのに。

心配でめまいがした。何度かパニックになり、泣きそうになったが堪える。地面が平行に見えない。泣きたいのはわたしじゃなくて天使だし、悔しいのも悲しいのもわたしじゃなくて天使だ。心配以外の感情は失礼なような気がした。そうして何も出来ない自分にひどく苛々した。苛々と悲しみと焦りと不安がいっしょくたに高速で混ざってバターになりそうだ。くるくると世界が回る。

どんな感情を持てばいいのかわからない。なんの気持ちを持っても1番そう思っているのは天使だから。

わたしが確認していた限りでは変わりなかったのに。たくさん考えすぎてパンクしそうだ。また考えすぎって怒られるかな。

天使のファンじゃない人が、天使が出ないからってチケット譲渡出すのはなんだかなあと言っていて全く理解出来なかった。昨今の舞台なんて役者人気か原作人気でチケット売ってるのに。じゃああなたは脚本家や劇団や演出家目当てで行ってるの?違うでしょう?あなたの推し目当てでしょう。推しがいるからどれだけ肌に合わなくても観ていられるのにね。そりゃまあ素敵な芝居をしてもらうのが1番だけど。蓬莱さんの脚本目当てで今回チケットを取った人くらいしか言えないセリフだと思うんだけど。

まあ、いいや。どうでも。わたしは調子が良かったら行こうかな。仕事もまるまる休みを取ってあるし、行っても行かなくても、世界はなにも変わらない。

3月までわたしが生きられるかは定かではないけれど、スケジュール帳は埋まっていくから、困ってしまう。

さみしいとかさみしいとかさみしいとか、いつも笑いながら言っていた。また会える日が決まっていたから言えたんだ。だからまだ大丈夫。前しか見てないって言ってたもの。じゃあわたしも前を見るしかないね。忘れるところだった。思い出して良かった。

さて、はじめようか。明日も明後日も、毎日は続いて行く。