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ただの俳優のオタク。

恋という免罪符

 

あげくの果てのカノン 1 (ビッグコミックス)

あげくの果てのカノン 1 (ビッグコミックス)

 

 

 

主人公カノンは恋をしていて、恋をしている先輩は結婚していて、そして地球を救っている。
ゼリーと呼ばれる生命体に壊された地球で、それと戦う既婚者をストーキング。カノンの世界は先輩しかないのに、世界がそれを壊していく。それでもカノンは先輩を選択し続ける。戦闘による負傷を回復するために、少しずつ人格が変わっていく先輩を、妻は無理と言った。変わることを許せない妻に、自身が変わることを見てしまう。変わることを受け入れるカノンに希望を持ってしまう。
みんな一生懸命で、そして、自分勝手で、地球すべてを巻き込んで、進んでいく。

カノンの恋は、りあこおたくに似ている。
結婚してしまった先輩をどこまでも追っかけて、盗撮盗聴、元カノについて調べてスクラップしたり、行きつけの店でバイトをしたり。恋という免罪符で軽々とすべてを片付ける。どこまでも自分勝手だ。世界を巻き込んだ恋。
周りから見たら迷惑な話で、理解できないかもしれないけど、本人からしたらただの恋なのだ。カノンの世界には先輩しかいないから。

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でも、わたしはカノンの気持ちを、ほかにどう表したらいいのかわからない。目も合わせられなくて、挙動がおかしくなって、一言一言に涙が出ることを、ほかになんで例えられるだろう。

 

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天使が好きだ。
どうしようもなく好きだ。どんなときも天使のことを考えて、泣いて、そう生きている。
ばかなのはわたしなんだ。好きなんだから、近くに行ったら、そりゃ、もっと好きになってしまう。どんどん好きになって、付き合いたくなってしまって、俳優として見れなくなってしまって、観劇が苦しくなって、接触が苦しくなって、ずるずるずるずる、ここまで来てしまった。
本当は毎日会いたいし、天使のこと好きなやつみんな死ねばいいのにって思ってるし、独りよがりだし、しんどい。
朝起きて、好きだなって思う。いい天気だな、天使は元気かな、なにしてるかな、まだ寝てるかな、稽古順調かな、そろそろ撮影かな、髪色変えてないかな、なに食べたのかな、とか、考えるんだよ。
それで幸せなんだよ。それだけで。

例えば美味しいコーヒーを飲んだとして、それで、その瞬間幸せを感じるでしょ。そうすると、わたしは天使を思い出す。楽しかった記憶が繋がる、よみがえる。

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天使の存在が好き。天使のいる世界が好き。
カノンが周りに責められていても、カノンが先輩を好きなのをやめられないように、近くいることを望んでしまうように、わたしも天使の近くにいることを望んでいる。
一秒だって多く天使をみていたい。おたくがいちばん近くにいられる。幸せだ。

 

 

 

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どうしようもない。
カノンがわかっているように、わたしもわかっている。今のままで、なにも進まない。天使がどんな態度をとっても、あたらしい天使がみれたと喜んでしまう。過去の天使も今の天使も未来の天使も、一生愛している。
手詰まりだ。

あげくの果てのカノンを読むと、悲しくなる。恋について考えてしまう。そして希望をもつ自分に嫌悪する。早く終わりにしたい。まんがは明確な終わりがあって、いいな。羨ましい。わたしの恋も、誰か終わらせて。