拝啓、二次元の君たちへ
今週のお題「得意料理」
はじめて人のために料理を作りたいと思ったのは、9歳のころだった。
料理自体はそこそこできた。両親は共働きだったし、わたしはたくさんの習い事で夜遅く、一人で食事をとることも多かった。弟は祖母に育てられていたし、自分ひとり分の食事くらい、自分で賄えなければならないと思っていた。
わたしにとって料理は、自分のためだった。特に楽しくもなかった。でも、ある日、人のために、料理をしたいと思った。
エドワードエルリックは、牛乳が嫌いなのに、シチューが好きだった。わたしはエドワードを深く愛していた。エドワードのためにシチューを作りたいと思った。そして作った。はじめて、人のために料理をした。たとえ相手が食べてくれなくても、楽しかった。今でもシチューはホワイトソースから作る。9歳のわたしは、エドワードのために、どんな気持ちでシチューを作ったのだろう。
雲雀恭弥さんを好きになったときには、ハンバーグを練習した。アレンウォーカーを好きになったときにはみたらし団子を作った。リョーマくんを好きになったときは茶わん蒸しを作った。キャラの誕生日にはケーキを作るようになった。
二次元はすごい。人を成長させる。わたしの人生を作ってきたと、はっきり言える。二次元のおかげで、わたしは料理に目的を持てたのだ。たとえ食べるのが自分だとしても。
今は、あまり料理はしない。
天使は料理のしがいがなさそうでつまらない。好きな食べ物、焼き肉とラーメンと寿司って、お前…。小学生なんかな…。
ところで得意料理です。
肉とキャベツ。
切る。
はい。
酒醤油ごま油塩胡椒ウェイパーショウガ
はい
じゃん
できた
うまい
そんなわけで餃子が好きです。ラー油に七味をどばどば入れて食べます。得意料理というか、単にきょう食べたかっただけです。